1963年、ジョージア州アトランタ生まれ。中学時代に自主映画を作り始め、ハリウッドで編集者として働いたのち、地元に戻って脚本執筆やドキュメンタリー製作に取り組む。初の長編映画『セックスと嘘とビデオテープ』(89)はカンヌ国際映画祭に出品され、史上最年少の26歳の若さで最高賞パルムドールを獲得。同作品はサンダンス映画祭観客賞にも輝いた。2000年には『トラフィック』『エリン・ブロコビッチ』の2作品が共にアカデミー作品賞、監督賞にノミネートされる快挙を達成し、『トラフィック』で監督賞を受賞した。また『アウト・オブ・サイト』(98)、『イギリスから来た男』(99)といったユニークな犯罪映画で評価を高め、ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットらのオールスターキャストを揃えた『オーシャンズ11』(01)は、その後2本の続編を生み出すスマッシュ・ヒットとなった。2008年には革命家チェ・ゲバラの人生を映画化した2部作『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳別れの手紙』を発表するなど、型にはまらない創作活動を展開。『コンテイジョン』(11)、『エージェント・マロリー』(11)、『マジック・マイク』(12)といった近作も好評を博している。『サイド・エフェクト』以降の新作として、TVムービーでありながらカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された「Behind the Candelabra」(13)、クライヴ・オーウェン主演のTVミニ・シリーズ「The Knick」(14)などが控えている。
ミネソタ大学を最優等で卒業後、広告業界でキャリアをスタート。アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を獲得した『不都合な真実』(06)の製作を務め、スティーヴン・ソダーバーグとジョージ・クルーニーが製作した『PU-239』(06・未)では監督&脚本を兼任した。その後は『ボーン・アルティメイタム』(07)の脚本を手がけ、『インフォーマント!』(09)と『コンテイジョン』(11)でもソダーバーグとコンビを組んでいる。現在は1999年のコロンバイン高校銃乱射事件に基づく舞台劇「The Library」を執筆中で、同作品はソダーバーグが演出を担当する予定だという。
ニューヨーク大学メディカルセンターの法精神医学部副部長、マンハッタンで行われた ケンドラ法プログラムのディレクターなどの職を経て、ライカーズ島の精神衛生センターの所長に就任。現在はニューヨーク大学メディカルセンターとニュー ヨーク医科大学で教鞭を執っている。またコメンテーターとして、たびたびテレビに出演。マーク・フォースター監督作品『ステイ』(05)やTVシリーズ「LAW & ORDER クリミナル・インテント」(07〜09)、「LAW & ORDER : 性犯罪特捜班」(11〜12)などでコンサルタントを務めたこともある。